産後の坐骨神経痛　

こんなことでお悩みではありませんか？

少し歩くと太もも裏が痛い。
授乳していると太ももの裏が痛くなってくる。
台所で炊事していると坐骨神経痛が出る。
寝ていると足が痛くて目が覚める。
産後、どんどん坐骨神経痛が強くなっている。

なぜ産後に坐骨神経痛になるのか？原因は７つあります

１.骨盤の緩み

坐骨神経は骨盤の近くを通っているので骨盤が少しでもズレると坐骨神経への影響が出ます。特に骨盤が緩んだりすると影響は大きいのです。まさに産後は骨盤が人生で最も長期的に緩むので「引っ張られる＋その状況が続く」ことになるので坐骨神経痛の原因になります。

２.ホルモンの影響

妊娠中はリラキシンというホルモンが骨盤などの骨と骨とのつなぎ目を緩めて出産をスムーズにします。このホルモンは全身に作用するので、全身のつなぎ目が緩まります。骨盤も例外ではなくとても緩んでしまいます。

３.解剖学的な構造

骨盤に直接あなたの足（太ももの骨）が付いています。このつなぎ目を股関節と言い、片側の足は約10kgの重さがあります。股関節からすると常に重力で引っ張られている状態なので、緩みやすくズレやすいのです。その結果、太ももには坐骨神経が通っているので神経が引っ張られ産後の坐骨神経痛の原因となります。

４.筋肉への物理的な負担、疲労

育児による今まで以上の筋肉への負担です。この負担により筋肉は産前以上に硬くなります。柔軟性がなくなると引っ張られることに弱くなります。だから少し引っ張られることでも産後の坐骨神経痛が出やすくなる環境と言えます。

5.ストレス

ストレスは交感神経が高まるので筋肉を硬くします。結果、全身の筋肉が緊張し、硬くなります。坐骨神経周辺の筋肉も例外ではなくいつも以上に硬くなり、その結果太もも裏が痛くなります。また「少し痛いくらいの方が効いている感じがする」と間違ったストレッチのやり方をしている人もいます。

６.間違ったケア方法

例えばストレッチです。ストレッチは「引き伸ばす」という意味です。産後の坐骨神経痛は筋肉と神経自体が引っ張られた結果として症状が出ています。傷んでいる筋肉を余計に引き伸ばすと当然ですが、坐骨神経痛は悪化します。もう一つ産後の女性で多いパターンが「少し痛いくらいの方が効いている感じがする」と間違った基準でストレッチをされている人もいます。

７.間違った歩き方

坐骨神経痛には骨盤と股関節の位置が重要になります。まず股関節は背骨を中心に120度の角度で骨盤を2つに分けています（写真１参照）。骨盤に股関節（太ももの骨）がついているので、間違った歩き方をすると産後、坐骨神経痛が出てくる可能性は高くなります。足をひっつけて歩くと太ももがV字になります。下の方は狭く、上の方は広くなります。結果として骨盤には開く力がかかります（写真２参照）これは産後の骨盤と股関節に悪影響を及ぼし、股関節によって骨盤が引っ張られて骨盤が緩んでしまう現象が生まれます。産後、坐骨神経痛に悩む方はほとんどがこのような足元が狭い悪い歩き方をされています。

（写真１）（写真２）

体の中はどうなっているのか？

＜筋肉に関して＞

産後、坐骨神経痛を感じる女性の太ももの筋肉や神経は炎症を起こしています。表面は少し赤くなっており、毛細血管が切れて血が滲んでいる状態です。皮膚の上からでも表面を触ると患部は少し熱を持っているように感じることもあります。

＜骨盤に関して＞

骨盤の状態は下の写真1をご覧ください。下の図（産前）の状態は3つの骨がしっかりと引っ付いているんですが、上の図（産後）では赤のラインのように隙間ができています。これが産後、骨盤が緩んだ状態です。

（写真1）今度は下の写真2をご覧ください。この状態ですと、土台がグラグラなのでビルと同じで上層階はもっと揺れます。ビルは崩れてしまいますが、人間の体は筋肉で支えることができます。でもいつも以上に筋肉に負担がかかるので骨盤が緩むと産後に腰痛になりやすいのです。

（写真2）

自宅でできる産後の坐骨神経痛の解決法

１、骨盤矯正をして骨盤の緩みを整える。

産後の骨盤の緩みを取り、骨盤を優しく整えていきましょう。強い力ではなくできるだけ優しい骨盤矯正を選びましょう。

２、育児などの使い方を整える。

まずはあぐらなどの地面での生活を見直し、授乳方法、歩き方、イスの座り方、骨盤ベルトの巻き方などを整える。

３、疲労を取る。

特に優しくマッサージをすることで筋肉の柔軟性が出ますので、一時的ではありますが坐骨神経痛の症状改善に効果が期待できます。

４、炎症の熱を取る。

これは筋肉、神経、関節の全てのコンディションを良くします。自宅では氷を使ったアイシングを行います。アイシングとはスポーツの第一線では当たり前となっているケア方法で、メジャーリーガーや日本代表選手団も必ず行っている安全なケア方法です。特に産後に坐骨神経痛に悩む方にはオススメのケア方法です。

＜アイシングの方法＞

氷のうというアイシング専用の袋を用意します。
中に氷を15個くらい入れます。
少しだけ水を入れてください。
袋の中の余分な空気を抜いてください。抜くと効果が2倍くらい違います！
キャップをしっかりと締めてください。
痛む太もも裏に直接当ててください。服の上からでは効果が減ります。
ズボンなどに挟んでおくと家事なども出来ます。
30分くらいは入れておいてください。最初は5分くらいから始めて慣れていくといいでしょう。

５、気分転換をする。

人間はストレッチや体操などからだを動かすことで気分転換になります。産後、動かない状態が続くと坐骨神経痛になりやすいので、坐骨神経痛の予防として痛くない程度に積極的に動くようにしましょう。

６、栄養を整える。

育児でバタバタしていると栄養が偏りがちです。まずは全体の栄養バランスを意識することです。何かの栄養を摂り過ぎる食習慣は逆効果です。それが出来たらビタミンCを意識しましょう。野菜でも果物でもサプリでも結構です。1回でたくさんを摂るよりも毎回の食事の中で少しずつ摂るのがベストです。食事の時間に関しては8時、12時、18時などできるだけ「早め・習慣にする」ということを意識してください。産後の坐骨神経痛対策としてこのような「時間の使い方」も意識しましょう。