産後の肥立ちとその期間についてご紹介

2019.01.21

説明

新しい命を生み出すというのは、身も心も大変な負担がかかることは当然で、すぐに妊娠前の状態に戻れるわけではありません。
産後の体は、少しずつ産道にできてしまった傷を修復したり、大きくなった子宮を小さくしていきながら回復していきます。
そうして出産を終えた女性の体が回復していくことを、産後の肥立ち、あるいは産褥期と言います。
今回は、産後の肥立ちとその期間についてご説明します。

 

□産後の肥立ちの期間

産後の肥立ちの一般的な期間として、6週間から8週間くらいが目安です。

最近ではあまり言う人が少なくなった言葉ですが、回復が思っていたよりも進まず、立ち上がることすら難しくなる状態を「産後の肥立ちが悪い」と言います。
医療技術が未熟な昔だと、傷が塞がらずに失血死してしまったり、細菌に感染して病気で亡くなってしまったりすることが、かなり多かったのです。

 

□産後の肥立ちの悪化により起きる症状

産後の肥立ちが悪化すると、以下のような症状が起きる可能性があります。

*産褥熱

産後の肥立ちが悪いと、産褥熱といって、高熱が出て下がらない状態になってしまうことがあります。
体の状態が良くないままで出産をして、開いた傷口から細菌が入り込んで体内に繁殖してしまうと起こります。
今は薬の力で細菌の繁殖を阻止できるようになりましたが、かつてはこの熱が死に至る主な原因でした。

*子宮復古不全

それから、子宮の大きさが元に戻らない子宮復古不全という症状もあります。
子宮が小さくならないと、胎盤が取れて役割を終えた子宮内膜が血の塊と一緒に出てくる悪露の量が多くなります。
これは、胎盤の一部が残っていたり、双子や三つ子というように子供の数が多いときに収縮がうまくいかないときに起こりやすいです。
子宮復古不全で悪露が続くと、傷口から細菌が入り込んでしまうので、気をつけなければいけません。

*産後鬱

肉体的なものではなく心の問題として、産後鬱もあります。
気分が落ち込んだり、食欲が出ない、眠れない、やる気がでないなど、うつ病と同様の症状が出てきます。
長期化することもあり、自殺や子供の虐待のような悲劇を起こす危険性もありますから、注意しておかなければいけません。

 

□産後の肥立ちが悪くなる原因

1つは、産後は回復するべき時期なのに子育てや家事をするために、無理をして体を動かしてしまうことです。
2つ目に、若い女性に増えている「隠れ栄養不足」です。
食べ物が豊富な社会ですが、ビタミンやミネラルの摂取量を見てみると、必要な量を満たしていないことがよくあります。
妊娠、出産で子供のために栄養を使っていると、なおのこと栄養不足になってしまいます。
そうなれば、回復をするのが遅れても仕方のないことです。
出産という大仕事を終えて、体調を取り戻すためには休養と栄養を十分に確保する事が大切です。

 

□最後に

今回は、産後の肥立ちとその期間、肥立ちが悪くなることによる影響についてご紹介しました。
産後の肥立ちに不安な方は、肥立ちの悪化をできるだけ防ぐように心がけましょう。